業績、配当性向、ROE: 企業の中身を見るための指標
PER や PBR が「値段に対する倍率」だとすれば、業績や配当性向、ROE は「その元になる企業の中身そのもの」を見る指標。
業績の見方
企業の業績は、決算で発表される主要な数字を中心に見る。
- 売上高: その会社が、年間どれだけ商品/サービスを売ったか
- 営業利益: 売上から本業のコストを引いた、本業の儲け
- 経常利益: 営業利益に、本業外の損益を足し引きしたもの
- 純利益: 税金まで引いた、最終的に株主に帰属する利益
そして前年同期との比較で、
- 増収増益: 売上も利益も、前年より増えている
- 減収減益: 売上も利益も、前年より減っている
- 減収増益: 売上は減ったが、コスト削減などで利益は増えた
- 増収減益: 売上は伸びたが、コスト増などで利益は減った
これらは「四半期決算」ごとに、3 ヶ月に 1 回発表される。
配当性向
配当性向 = 配当総額 ÷ 純利益
「稼いだ利益のうち、何 % を配当として株主に還元したか」を示す。
- 配当性向 30 % → 利益の 3 割を配当に
- 配当性向 100 % → 利益と同じだけ配当(無理して出している可能性も)
- 配当性向 50 % 前後 → 一般に「バランスが良い」とされやすい
注意点:
- 配当利回りが高くても、配当性向が 100 % 超なら無理している可能性
- 業績が落ちると、減配(配当が減らされる)されるリスク
- 配当だけ追うと、株価が下がってトータルで損する罠もある
利回りの数字だけでは、配当の安定性は分からない。
ROE: 効率の指標
ROE(自己資本利益率) = 純利益 ÷ 自己資本
「自分の手持ち資本を使って、どれだけ効率よく利益を出しているか」。
- ROE 高い: 少ない元手で大きく稼げている
- ROE 低い: 元手の割に、稼ぎが小さい
業種によって違うが、一般に ROE 8 % を超えると、効率が良いと評価されやすい。
PER / PBR とセットで見ると、
- ROE 高 + PER 低 → 効率いいのに、まだ評価されていない → 妙味あり
- ROE 低 + PER 高 → 効率悪いのに、評価が高い → 割高警戒
という、組み合わせでの見方ができるようになる。
4 指標の関係
PER、PBR、配当性向、ROE は、それぞれ独立に見るのではなく、関係性で読む。
- PBR ≒ PER × ROE(数式の関係)
- ROE が高い銘柄は、PBR が高くても許容されやすい
- 配当性向が高い銘柄は、利益の伸びは小さくなりやすい
「1 つの数字が良い・悪い」だけで判断せず、複数の指標を組み合わせて、その会社の中身全体を見る。

まとめ
- 業績: 売上・営業利益・純利益、増収増益かどうか
- 配当性向: 稼ぎのうち何 % を株主還元しているか
- ROE: 元手に対する稼ぎの効率
- 単独でなく、複数指標を組み合わせて読む